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最高裁判所第三小法廷 昭和63年(行ツ)98号 判決 1988年10月18日

大阪府泉佐野市大西一丁目九番二〇号

上告人

馬場谷幹次

大阪府泉佐野市下瓦屋三丁目一番一九号

被上告人

泉佐野税務署長

桑村睦男

右当事者間の大阪高等裁判所昭和六二(行コ)第四六号所得税更正処分等取消請求事件について、同裁判所が昭和六三年三月三〇日言い渡した判決に対し、上告人から全部破棄を求める旨の上告の申立があつた。よつて、当裁判所は次のとおり判決する。

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告人の上告理由について

所論は、独自の見解に基づき抽象的に原判決の不当をいうものにすぎず、採用することができない。

よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 安岡滿彦 裁判官 伊藤正己 裁判官 貞家克己)

(昭和六三年(行ツ)第九八号 上告人 馬場谷幹次)

上告人の上告理由

上告の理由

昭和六〇年六月二三日、泉佐野税務署から受取った

六〇・六・二一付 所第三六六号 泉佐野税務署長 黒川昌平

昭和五七年分所得税の更正加算税の賦課決定通知書

本税の額 一七、七四四、〇〇〇円

過少申告加算税額 八八七、〇〇〇円

納期限 昭和六〇年七月二二日

六〇・六・二一付 所第三六七号 泉佐野税務署長 黒川昌平

昭和五七年分所得税の更正の請求に対してその更正をすべき理由がない旨の通知書

(別紙目録六 参照)

について、

一 六〇・六・二一付 所第三六六号 泉佐野税務署長 黒川昌平

昭和五七年分所得税の更正加算税の賦課決定通知書

(別紙目録六 右通知書コピー参照)

は、署長黒川昌平の「瑕疵(落ち度)ある意思表示である。

よって、六二・一二・一〇付 準備書面

(大阪高等裁判所第二民事部受付六二・一二・一〇控)

記載のとおり、民法第一一九条(無効行為の追認)

無効ノ行為ハ追認ニ因リテ其効力ヲ生セス但当事者カ其無効ナルコトヲ知リテ追認ヲ為シタルコトは新ナル行為ヲ為シタルモノト看做ス

取消シ得ヘキ行為ハ無能力者若クハ瑕疵アル意思表示ヲ為シタル者、其代理人又ハ承継人ニ限リ之ヲ取消スコトヲ得等民法を適用し、又

行政不服審査法第一条(この法律の趣旨)

<1> この法律は、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、国民に対して広く行政庁に対する不服申立てのみちを開くことによって、簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。

同法第四〇条(裁決)

<4> 事実行為についての審査請求が理由があるときは、審査庁は、処分庁に対し当該事実行為の全部又は一部を撤廃すべきことを命ずるとともに、裁決で、その旨を宣言する。

同法第四七条(決定)

<4> 事実行為についての異議申立てが理由があるときは、処分庁は、当該事実行為の全部若しくは一部を撤廃し、又はこれを変更するとともに、決定で、その旨を宣言する。

ただし、異議申立人の不利益に事実行為を変更することができない。

国家賠償法第一条(公権力の行使にもとづく損害の賠償責任、求償権)

<1> 国家又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によって適法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。

同法第四条(民法の適用)

国又は公共団体の損害賠償の責任については、前三条の規定によるの外、民法の規定による。

等諸法を適用して、

すみやかに、署長小林一郎が、「取り消し」及び「遺憾の意思表明」を求める。

以上

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